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日野啓三氏の御冥福をお祈りいたします

  作家の日野啓三氏の 御冥福を お祈りいたします。
 
  
  
  どうしようもなく かなしく さびしいのですが、
  よい旅路であることを心より願います。
 
  以下、氏の作品より引用させていただきます。
 
___________
  
  
  いまや私はステンレススチール製ステッキをついた一個の探求的精神(スピリット)
  と化して、“故郷の星”を求めて宇宙の中をさ迷っている。
 
  検査室が並び連なる真っ直の廊下の突き当たり、側面玄関の
  待合室のような場所は、分厚いガラスの窓やドアや壁が多いせいで、
 
  その隅のベンチに腰をおろし、
  両足の間に立てたステッキの掴手に両手を重ね、
  その上に顎をのせて意識を前方にだけ集中していると、
 
  ここが新しい巡洋艦(クルーザー)タイプの宇宙船の艦橋のように思われ、
 
  どんな灼熱の超微惑星の破片もはね返す強化透明壁の向こうを、
  様々の、それぞれに魅惑的なあるいは奇怪な星雲や暗黒物質の映像の記憶が
  次々と現れては後退してゆく。
 
___________
 
 
   そしていま屍衣だけがほつれ漂う ひとつの星雲の残骸の近く迄来て、
   私は懐かしさでいっぱいだ。
   懐かしさには誇らしい思いが含まれ、改めて孤独感も新たになるが、
   こういうことだったのだ、私の生存ということは、私の生涯というものは。
   幾度もの断念の果ての内的静寂が、おのずから醸し出す
    “私を超える知と力”。
 
   いつのまにか私はベンチを立ち上がっていた。ステッキもつかないで。
   そして全く意識しないうちに、右腕を上げ肘を曲げて、
   挙手の礼を、
   網状星雲の屍衣が漂う宇宙空間の
   ひときわ闇の気配の濃いその空域___私のうろ覚えの記憶に間違いなければ
   正式には「網状星雲NGC6992〜6995」の
   あたり一帯に張りつめる凛とした気配に対して、黙々と敬礼していた。
 
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